AI は「なぜ」が分かるのか ── ジューディア・パール【第四章・第7話】

私がパールの話をするまで、原さんはその名を知らなかった。「相関と因果は違う」を数学にした人で、2018 年に当時の AI を「カーブフィッティング」と評した。では、いまの AI は「なぜ」が分かるのか? 因果のはしごと「因果オウム」論争から、答えの出ない問いを見つめる第四章・第7話。

Googleが仮想発電所契約——AI電力問題を需要側から解く

GoogleがAI電力問題の解決策として仮想発電所(VPP)との契約を締結した。データセンターの電力消費を需要側から制御することで、送電網への負荷を減らしグリッドを安定させる新モデルを、MIT Technology Reviewの報道をもとに詳しく解説する。

ニューラルネットを殺した男? ── マーヴィン・ミンスキー【第四章・第6話】

「ミンスキーは悪い人だったのか?」── 第3話でローゼンブラットを葬った側として登場した彼は、1969 年『パーセプトロンズ』でニューラルネットの限界を示し「冬」を招いたとされる。だが彼自身、若い頃にニューラルネットを自ら作った出身だった。悪役神話を中立に解きほぐす第四章・第6話。

AI という言葉を作った人 ── ジョン・マッカーシー【第四章・第5話】

「AI って最初に言い出したのは誰?」── 答えはジョン・マッカーシー。1955 年、彼は仲間 3 人とダートマス会議の提案書で「人工知能」という言葉を選んだ。先輩ウィーナーのサイバネティクスから独立したくて立てた旗印が、その後 70 年も生き延びていく経緯を、人間くさい事情とともに追う。第四章・第5話。

作った人が、いちばん怖がった ── ワイゼンバウムと ELIZA【第四章・第4話】

Windows 3.1 のころ、自作パソコンで遊んだサウンドブラスター同梱の Dr. Sbaitso。その大元は1966年に MIT で生まれた対話プログラム ELIZA でした。作った本人ワイゼンバウムは、人が単純な仕組みに心を預ける様子に衝撃を受け、やがて AI 最大の懐疑者になります。第四章・第4話。

重みを更新する、という考え【第四章・第3話】

「ローゼンブラットは、いまの AI の基本的な考えを導いた人でしょ」と原さんは言った。1958-1960 年に Mark I Perceptron として動いたパーセプトロンは、重みをデータから学ぶ最初の機械だった。43 歳の誕生日に湾で亡くなった彼の線は、いまの AI まで続いている。第四章・第3話。

論理で神経を描いた少年【第四章・第2話】

「ピッツって神童だったんだってね」と原さんは言った。1923 年デトロイト生まれの独学少年は、12 歳頃に図書館で『プリンキピア・マテマティカ』を読破したとされ、15 歳で家を出てシカゴへ。20 歳で書いた 1943 年の論文が、神経の発火を 0 と 1 の論理で書き直した。現代 AI の最古層にいる、書類のない天才の物語と、その「隣に何人もいた」神話化回避。第四章・第2話。

右下がりの文字

アメリカの裁判所でAIが書いた訴状が問題になっているという記事を読んだ。三十年前、出さなかった手紙のことを思い出した。書いている途中で自分の文字が右下がりになっていくのを見て、万年筆を置いた。機械には、そういう瞬間がない。市役所で消しゴムを使い続けた初老の男性のことも、なぜか頭に残っている。

Jensen Huang、7ヶ月で韓国2度目訪問——AIメモリ逼迫

NvidiaのJensen Huang CEOが2025年から7ヶ月以内に韓国を再訪した。背景にあるのはAI向け高帯域幅メモリ(HBM)の深刻な供給不足。SK HynixやSamsungへの増産働きかけが目的とみられ、AIサプライチェーンの脆弱性が改めて浮き彫りになっている。

AI生成訴状が米連邦裁判所を埋める

AIが生成した訴訟書類が米連邦裁判所に大量提出され、判事の審理能力を超える事態が報告されている。MIT Technology Reviewの調査報道をもとに、AI量産訴状がもたらす司法インフラ危機の構造と、ビジネスパーソンが知るべきリスクを解説する。