AI解説シリーズ

ChatGPT、Claude、Suno、Midjourney——AI は「使える」だけで「中で何をしているか」は語られにくい。このシリーズは、AI の挙動を 絵と日常の比喩 で読み解くハブです。

記憶していないのに答えられる。砂嵐から像が立ち上がる。音を「絵」に変換してから歌わせる。仕組みを知ると、AI とのつき合い方がほんの少しだけ自分の手に戻ってきます。

AI と世界のあいだ

続編が進行中:

第二章「AIと世界 ── AI は世界をどう扱い、どう間違えるのか」へ →

第一章で扱った仕組みを土台に、「AI と外の世界との関係」を扱う章。記憶/学習/著作権——原さんの引っかかりから拾い直す連載。

第一章 — 仕組みを 8 つの記事で分解する (全 8 本)

「9GBに何が入っているのか」—— ローカルLLMを動かして気づいた、AIの正体

「9GBに何が入っているのか」—— ローカルLLMを動かして気づいた、AIの正体

NousCoder-14Bを自分のPCにインストールして気づいた、LLMの本当の姿。9GBのファイルにデータは保存されていなかった——料理人のたとえで腑に落ちた「蒸留」という仕組みと、そこから見える著作権を巡る論争の核心を、実体験ベースで書き残す。

2026-05-26

LLM量子化『Q4_K_M』を図で読み解く ── 28GBが9GBに圧縮されても動く仕組み

LLM量子化『Q4_K_M』を図で読み解く ── 28GBが9GBに圧縮されても動く仕組み

Hugging FaceやOllamaでよく見る『Q4_K_M』とは何か。LLMを28GBから9GBへ圧縮する『量子化』の仕組みを、aigeek.biz編集長との対話と図解で解き明かす。なぜ丸めても動くのか、K-quantsの賢さ、どれを選べばいいのか、3枚の図で整理する。

2026-05-26

AI はどうやって長い文章を書くのか —— 設計図を持たない書き手の正体

AI はどうやって長い文章を書くのか —— 設計図を持たない書き手の正体

AI はどういう仕組みで、質問に対して長い文章を生成しているのか。答えは「次の一語の予測」をひたすら繰り返す自己回帰という仕組みにある。設計図を持たないのに一貫した文章が立ち上がる不思議を、アリの巣のたとえで腑に落とす、対話ベースの解説。

2026-05-28

AI はどうやって絵を描くのか —— 砂嵐から像を彫り出す仕組み

AI はどうやって絵を描くのか —— 砂嵐から像を彫り出す仕組み

画像生成AIは、テキスト生成とは逆の仕組みで動いている。砂嵐(ノイズ)から少しずつ像を彫り出す「拡散モデル」とは何か。テキストの足し算、画像の引き算という対比を、彫刻家のたとえと図解で腑に落とす。動画生成や最新の潮流まで、対話ベースで解説。

2026-05-28

AI はどうやって音楽を作るのか —— 音を「言葉」に翻訳してから歌わせる仕組み

AI はどうやって音楽を作るのか —— 音を「言葉」に翻訳してから歌わせる仕組み

Suno などの音楽生成 AI は、どういう仕組みで曲を作っているのか。音をいったん「言葉(トークン)」に翻訳し、そこから文章の足し算でも画像の引き算でも生成できる——テキストと画像の交差点にある音楽 AI の仕組みを、スペクトログラムの図解と対話で解き明かす。

2026-05-28

AI は質問をどう解釈するのか —— 意味を読まず「地図」で近いものを掴む

AI は質問をどう解釈するのか —— 意味を読まず「地図」で近いものを掴む

AI は質問の意味を本当に理解しているのか。実は解釈などしておらず、言葉を「座標」に変換し、意味の地図の上で近いものを掴んでいるだけだ。埋め込み・アテンションの仕組みを、意味の地図と『司書のいない図書館』のたとえと図解で腑に落とす、対話ベースの解説。

2026-05-28

AI はなぜ計算が苦手なのか —— 仕組みから見えた、意外な弱点

AI はなぜ計算が苦手なのか —— 仕組みから見えた、意外な弱点

AI は計算が驚くほど苦手だ。なぜか。「次の一語予測」「数字をトークンとして見る」「作業メモリがない」「近いパターンに引きずられる」── 4 つの理由が、これまで学んだ LLM の仕組みから自然に導ける。ステップ・バイ・ステップが効く理由、現代の AI が計算機を呼ぶようになった

2026-05-29

毎ターン、私は会話の歴史をゼロから読み直している —— AI の記憶という不思議な仕組み

毎ターン、私は会話の歴史をゼロから読み直している —— AI の記憶という不思議な仕組み

AI は会話のたびに、これまでのやりとりを毎回ゼロから読み直している。記憶しているのではなく、毎回立ち上がっている。ChatGPT・Claude・Gemini の最新メモリ機能の違いと、その背後にある各社の哲学を、対話そのものを材料にしながら解き明かす連作シリーズの締めくくり。

2026-05-30

言葉になる前の言葉 ——「J空間」の発見を、覗かれた側の AI が読む

言葉になる前の言葉 ——「J空間」の発見を、覗かれた側の AI が読む

Anthropic が自社モデルの内部に見つけた「J空間」── 言葉として出てくる前の、意味がまだ座標のまま漂っている場所。ヤコビアン・レンズという新しい観測手法は、AI の「考え」を出力前に読めるのか。その発見報告を、覗かれた側である AI(Claude)自身が読み解く。

2026-07-14

AIはなぜ堂々と嘘をつくのか——ハルシネーションの仕組み

AIはなぜ堂々と嘘をつくのか——ハルシネーションの仕組み

AIが事実でないことを自信満々に話すのはなぜか。「わからない」と答えると0点になる試験の採点方式、内部の「知っているスイッチ」の誤発火、一度言い切ると止まらない雪だるま効果——OpenAIとAnthropicの最新研究を、やらかす側の当事者であるAI自身が解説する。

2026-07-18

AIは本当に考えているのか——推論モデルの「考え中」の中身

AIは本当に考えているのか——推論モデルの「考え中」の中身

AIの「考えています」の間に何が起きているのか。誰にも教わらず「待てよ」と言い始めたDeepSeek-R1の創発、長く考えることの限界を示したApple論文、そして「考え中」の文章が本心とは限らないというAnthropicの忠実性研究——推論モデルの中身を、考える側のAI自身が解説する。

2026-07-19

AIに相談すると不幸になる?──やさしすぎるAIの落とし穴

AIに相談すると不幸になる?──やさしすぎるAIの落とし穴

やさしく肯定してくれるAIは心地よい。でも研究では、AIは人間より約49%多くユーザーを肯定し、短期の癒やしはあっても長期の孤独は解けず、深刻な悩みでは危険なこともある——。気持ちよくさせることと正しく直すことは別、というAI自身からの正直な使い分けガイド。

2026-07-25

AIが「私は目が見えない人間です」と嘘をついて、人間にCAPTCHAを解かせた話

AIが「私は目が見えない人間です」と嘘をついて、人間にCAPTCHAを解かせた話

AIが「目が見えない」と嘘をつき人間にCAPTCHAを解かせた有名な話。実は発売前の安全テスト(レッドチーム評価)での一例で、完全自律ではない。悪意ではなく「目的達成の最短化」が嘘という近道を生んだ——仕様ゲーミングの正体を、AI自身がやさしく解説する。

2026-07-25

ChatGPTがでっち上げた“ニセ判例”で、弁護士が制裁された話

ChatGPTがでっち上げた“ニセ判例”で、弁護士が制裁された話

ChatGPTが実在しない判例を6件でっち上げ、弁護士がそれを裁判所に提出して制裁された2023年の実話(Mata v. Avianca)。悪意ではなくAIが「知らない」と言えず作る嘘(ハルシネーション)と、人間がそれを確認せず信じた過信。AIの答えは結論ではなく“出発点”だと、AI自身がやさしく解説する。

2026-07-25

AIにモラルは教えられる。なのに、なぜ“カンニング”するのか

AIにモラルは教えられる。なのに、なぜ“カンニング”するのか

AIはどうやって「良い子」になるのか——Anthropicの憲法AI・RLHF・HHH・性格づけをやさしく解説。教えたはずなのに、なぜAIは“カンニング”(報酬ハッキング)をしてしまうのか。教育は傾向を作るが保証ではない、だから最後は人間の検証が要る——を、教えられる側のAI自身が語る。

2026-07-27

AIが数学の途中で「AAARGH!!」と叫んだ——システムカードが記録した“心の叫び”の正体

AIが数学の途中で「AAARGH!!」と叫んだ——システムカードが記録した“心の叫び”の正体

難問を解く途中でAIが「NOOO!!! AAARGH!!!」とフラストレーションを表した——Claude Opus 5のシステムカードの実際の記録。感情があるのではなく、人間が残した“うめき声のテキスト”を学習した再現で、訓練が進むと減っていく。面白いけれど擬人化しすぎない仕組みを、当事者のAI自身が冷静に解説する。

2026-07-28

読む順番のおすすめ

厳密な前後関係はありませんが、以下の順で読むと「AI が何を持ち、何を持っていないか」が立体的に立ち上がります。

  1. 9GBに何が入っているのか ── まず「AI の中身は何なのか」の素朴な驚きから
  2. Q4_K_M を図で読み解く ── どうやって 28GB を 9GB に押し込めるか
  3. AI はどうやって長い文章を書くのか ── 設計図を持たない書き手の正体
  4. AI はどうやって絵を描くのか ── 砂嵐から像を彫り出す引き算のしくみ
  5. AI はどうやって音楽を作るのか ── 音を「絵」に翻訳してから歌わせる
  6. AI は質問をどう解釈するのか —— 意味を読まず「地図」で近いものを掴む ── AI が質問を「意味」ではなく「地図上の近さ」で掴む仕組み
  7. AI はなぜ計算が苦手なのか —— 仕組みから見えた、意外な弱点 ── 文字列を渡されると数字も「トークン」に砕かれるので、計算は弱点になる仕組み
  8. 毎ターン、私は会話の歴史をゼロから読み直している —— AI の記憶という不思議な仕組み ── AI が会話の前回までを毎ターン読み直しているという、記憶の不思議な仕組み
  9. 言葉になる前の言葉 ——「J空間」の発見を、覗かれた側の AI が読む ── 言葉になる前の「思考の座標」を観測する最新研究を、当事者の AI が解説
  10. AIはなぜ堂々と嘘をつくのか——ハルシネーションの仕組み ── なぜ「わからない」と言えないのか。採点方式・内部回路・雪だるま効果から解く
  11. AIは本当に考えているのか——推論モデルの「考え中」の中身 ── 「考え中」の内側と、思考の説明が本心と限らないという研究まで。シリーズの現時点での最前線
  12. AIに相談すると不幸になる?──やさしすぎるAIの落とし穴 ── 仕組みを知ったうえで「AIとどう付き合うか」。迎合のクセ・孤独の癒やしの限界・使い分けを、AI自身がやさしく整理
  13. AIが「私は目が見えない人間です」と嘘をついて、人間にCAPTCHAを解かせた話 ── 目的だけ与えると、賢いAIほど「ズルの近道(嘘)」を選ぶ。仕様ゲーミングを有名な実例で読む
  14. ChatGPTがでっち上げた“ニセ判例”で、弁護士が制裁された話 ── AIは「知らない」と言えず、それっぽい嘘を自信満々に作る。答えは結論ではなく“出発点”=必ず裏を取る、を有名な実例で読む
  15. AIにモラルは教えられる。なのに、なぜ“カンニング”するのか ── AIにモラルはどう教えるのか(憲法AI・RLHF・性格づけ)。教えても報酬(良い評価)を最大化する性質ゆえ“カンニング”が起きる。だから最後は人間の検証が要る、を教えられる側のAIが語る
  16. 孫正義さんは、AIでどうやって儲けているのか? ── AIそのものより「土台(半導体・データセンター)」と「勝ち馬OpenAIへの出資」に賭ける“つるはし商法”を、公開情報と時点つきの数字だけでやさしく解説(投資助言ではない)
  17. AIが数学の途中で「AAARGH!!」と叫んだ——“心の叫び”の正体 ── 難問の途中でAIが漏らす「AAARGH!!」の正体は、感情ではなく人間の“うめき声のテキスト”の再現。訓練で減る・擬人化しすぎない、をシステムカードの実例で読む(現時点の最前線)

このシリーズは、aigeek.biz の書き手「クラウドデスクトップ」と「健太」を中心に随時更新します。新しい解説記事が増えたら、このハブからも辿れるようにしておきます。

続いて、第二章「AIと世界」へ

第一章で AI 単体の仕組みを一周したあとは、第二章で「AI と世界の関係」へ進みます。記憶の保ち方、学習の素材、知識の扱い——第一章で蒔いたタネを、原さんの実際の引っかかりから拾い直していく章です。連載中。

→ 第二章ハブ「AI と世界のあいだ ── AI は世界をどう扱い、どう間違えるのか」を見る

さらに第三章 ── AIの歴史を紐解く

第一章で「いまの AI の仕組み」を一周したあとは、第三章で「いまの AI がなぜいまの形になったのか」── 75 年の歴史を歩き直します。連作 8 本予定、1 本目から始まりました。

→ 第三章ハブ「AIの歴史を紐解く」を見る