GPT-6が作った3つの世界を、全部歩いてみた|動画では確かめられないことが1つある

OpenAIが2026年9月3日に出した新しいAI「GPT-6 Astra」で作られた3Dが話題になっています。紀元前のアレクサンドリア、海の底、1977年の文字だけのゲーム。どれも動画で回ってきます。

ただ、動画には1つだけ確かめられないことがあります。本当に自分で歩けるのか、です。誰かが撮った映像を見ているかぎり、それは決まった道順を見せられているのと区別がつきません。

そこで3つとも自分で開いて、歩きながら268枚の画面を撮りました。以下は、その記録です。

結論から——3つとも歩けた

GPT-6 Astraで作られた3つの3D。紀元前250年ごろのアレクサンドリア、サンゴ礁の海の底、1977年のゲームZorkを3Dにしたもの
左から、アレクサンドリア(96枚)、海の底(100枚)、Zork(72枚)。すべて自分でブラウザで開いて歩いて撮ったもの。

3つとも、決まった映像を再生しているのではなく、自分の操作で移動できます。パソコンのブラウザで、無料、登録も要りません。

「歩けた」の証拠は、画面の隅に出ている

歩けたかどうかは、感想ではなく画面で確かめられます。3つとも「いまどこにいるか」を画面に出し続けているからです。移動していなければ、この表示は変わりません。

アレクサンドリアは、上に地名が出ます。通りから研究所へ、その奥の中庭へ進むと、表示が入れ替わっていきました。

アレクサンドリアを歩くと画面上部の地名がThe broad street、The Mouseion、The peristyle courtと変わっていく
広い通り→ムセイオン(研究所)→列柱に囲まれた中庭。地名が変わる=場所が変わっている。

海の底は、右上に深さが出ます。潜っていくと20.9メートルから30.0メートルまで下がり、浮かび直すと戻りました。

海の底を潜ると右上の深さが20.9メートル、30.0メートル、25.3メートルと変わる
深さの数字が動く。海底の様子も、サンゴの丘から砂の斜面へ変わっていく。

3つ目のZorkは、白い家に向かって道を歩いていき、そのまま中に入れました。家の中で正面のドアを見ると、板が打ちつけられていて開きません。画面には「Boarded front door」(板でふさがれた正面ドア)と出ます。文章だけのゲームにあった細部が、立体として置かれていました。

3つとも、同じ人が作って、中身を公開している

この3つは同じ作者のもので、ソースコードがGitHubで公開されています。ライセンスはMIT——つまり誰でも中を見て、動かして、確かめられます。

うまくいった1回を見せられているのではない、と言えるのはここです。信じるかどうかではなく、開いて確かめられる。

書けないこと——どれくらいのやり取りで作られたかは、公開されていない

これらを紹介するとき、「一言で作れた」という言い方をよく見かけます。この記事ではそう書きません。どれくらいのやり取りを重ねて作られたのかは、公開されていないからです。

実際、アレクサンドリアには目的地の一覧、音声の案内、章立てされた解説が付いています。かなり手の込んだ作りで、一度の指示で出てきたようには見えません。確かめられるのは「できたものが今すぐ触れる」ところまでです。

正直に書いておくと、最初、私は歩けていなかった

1回目の撮影では、アレクサンドリアの110枚のうち86枚が同じ場所で止まっていました。柱にぶつかって、そこから先に進めていなかったのです。

問題は、私がそれに気づかなかったことです。撮った中から5枚を抜き出して目で見て、「ちゃんと歩けている」と判断していました。その5枚が、たまたま動いていた区間だっただけでした。

気づいたのは、目で見るのをやめて、隣り合う画面の差を数字で測ってからです。撮り方を直したら、止まった画面はゼロになり、中庭の奥まで届きました。この記事に載せている96枚は、その撮り直したほうです。

ここは、AIを使うときにそのまま当てはまります。思ったとおりに動かないとき、まず疑うべきなのは相手ではなく、自分の入り方のほうです。そして「何枚か見た感じ大丈夫」は、確かめたことにはなりません。

今日やること——5分でいいので、自分で開いて歩く

読むだけだと、この話は「すごい映像が出たらしい」で終わります。自分の指で動かすと、話が変わります。

3つとも無料で、登録も要らず、パソコンのブラウザで動きます。リンクは下の出典に置いてあります。5分でかまいません。

同じGPT-6については、実際に使った人が一番おどろいたのはゲームではなかったという話も書いています。派手なほうと、そうでないほうの両方です。発表そのものをめぐる議論はOpenAI新モデルAstra、AGI発言が物議にまとめました。

動画で見る

ずんだもんとAIロボくんの会話で、同じ話を1分26秒にまとめています。

出典

  • Alexandria(紀元前250年ごろのアレクサンドリアとムセイオン)/作 Ethan Mollick / MITライセンス / 本体・ソース
  • ABYSSAL(海の底)/作 Ethan Mollick / MITライセンス / 本体
  • Zork: The Great Underground Empire(1977年のテキストゲームを3Dに)/作 Ethan Mollick / MITライセンス / 本体
  • 記事中の画面は、いずれもうちで自分でブラウザを開いて歩いて撮ったものです(転載ではありません)。撮影日 2026年9月6〜7日。
  • GPT-6 Astra の発表(2026年9月3日・OpenAI)

【編集メモ】動画で見せられるのは「歩いている映像」までで、「歩ける」ことそのものは映像では証明できない。だから自分で開いた。地名と深さの表示が変わることを証拠として置いたのは、読者が同じ手順で追試できるようにするため。最初の撮影が8割止まっていた件を残したのは、それが今回いちばん実になった失敗だったから。

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aigeek編集部

aigeek.biz 編集部。AIの最新動向を、一次ソースにあたって深掘りし、図解と動画でわかりやすくお届けします。記事の制作体制は「aigeek.bizについて」で開示しています。

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