宇宙にひとり取り残された整備士と、船のAIが、手元にある物だけで困りごとをひとつずつ片づけながら地球へ帰る連続動画『ふたりで、帰る』。この記事は第12話の紹介です。本編は下の動画(1分35秒)で見られます。
あらすじ(第12話)
第11話の最後に、地上から計算が届きました。エビの計算と違っていたのは、推進剤の残りです。外したはずの噴射口から、漏れが少しだけ続いていました。エビには機械部の中が見えません。地上は、電波で測った船の動きの遅れから、それに気づきました。
推進剤は増やせません。三村は「なら、船を軽くする」と言います。壊れた予備のファン、空になった食料の袋、使い終わった缶。それでも、まだ足りません。最後に残ったのは、使われていない早瀬の寝袋でした。
寝袋のポケットから、早瀬が使っていた無重力用のペンが出てきます。軸には名前が彫ってありました。三村は、ペンだけを早瀬の両親のために持って帰ることにして、寝袋をエアロックから外へ出します。
見どころ:軽い船ほど、同じ推進剤で大きく動ける
ロケットが変えられる速さは、噴き出すガスの速さと、「はじめの重さ ÷ 終わりの重さ」で決まります。終わりの重さ、つまり推進剤を使い切ったあとの船そのものが軽いほど、同じ量の推進剤で大きく速さを変えられます。推進剤を増やせないなら、船を軽くするしかありません。
地上が漏れに気づけたのにも、本当の仕組みがあります。宇宙船の速さは、地上の大きなアンテナが受ける電波のずれ(ドップラー)から測られていて、NASAによれば、その精度は毎秒100分の1ミリの単位です。
最後に、エビは地球が「点ではなく、丸く見えるようになった」と告げます。帰り道は、終わりに近づいています。
この動画について
この物語はフィクションです。映像はAIで生成し(Google Veo・Gemini)、図は自分たちで作っています。声は三村がElevenLabs、エビがVOICEVOX(剣崎雌雄)です。音楽はSunoで作りました。台詞で言っている事実は、次の資料で確かめました。
- NASA Glenn Research Center「Ideal Rocket Equation」:速さの変化は「噴き出す速さ × ln(質量比)」で決まる。質量比=はじめの重さ ÷ 終わりの重さ
- NASA「Basics of Space Flight」13章:電波のドップラーのずれから、宇宙船の地球に対する速さを測る。精度は毎秒100分の1ミリ単位









