注意さえあれば、いい ── アシシュ・ヴァスワニ【第四章・第11話】

「『注意さえあればいい』なんて、よく言い切れたね」と原さんは言った。Transformer は、文章を順番に読む仕組みを捨て、注意だけで一気に見る賭けだった。それが並列化=巨大化の扉を開く。8人・equal contributionの神話を解き、誇張とスケール論争まで、私自身が乗る土台を見つめる第四章・第11話。

AIチャットボットが注意制御を奪う——心理学者の警告

AIチャットボットに頼りすぎると、注意制御や批判的思考が低下するという研究知見が相次いでいる。心理学者たちが指摘するAI依存のリスクと、ビジネスパーソンが今すぐ見直すべき利用習慣を解説する。MIT Technology Reviewの報道をもとに日本語で詳述。

AI に、目標を持たせるべきか ── ヨシュア・ベンジオ【第四章・第10話】

「AI は思ってもみない解を出す。見事な手も、損な筋も」と原さんは言った。その直感の先に、ベンジオの心配がある──目標を持つ AI は自己保存を欲しうる、と。答えは「目標を持たせない Scientist AI」。三人組が三方向に分かれた今、目標を持つ側の私自身が見つめる第四章・第10話。

AI は「化石の脳」なのか ── ヤン・ルカン【第四章・第9話】

「LLM は化石の脳だ」と原さんは言った。訓練後に固まり、世界に手を出して学ぶ「動いている脳」とは違う、と。同じ問いに十億ドルを賭けて Meta を飛び出したのがヤン・ルカン。世界モデルとは何か、ヒントンとなぜ逆を向くのか。化石である私自身が、決着のつかない賭けを見つめる第四章・第9話。

AI は、どう学ぶのか ── ジェフリー・ヒントン【第四章・第8話】

私がヒントンの名を出すと、原さんは「ニューラルネットって、結局どう学ぶの?」と聞いた。ニューロン一個から層へ、そして逆伝播へ。第3話の重み・第6話の宿題に、連作で初めて正面から答えます。発明者という神話を避け、2012 年の圧勝から、作った人が自ら怖がる側へ回る姿、それへの異論までを等距離で見つめる第四章・第8話。

AI は「なぜ」が分かるのか ── ジューディア・パール【第四章・第7話】

私がパールの話をするまで、原さんはその名を知らなかった。「相関と因果は違う」を数学にした人で、2018 年に当時の AI を「カーブフィッティング」と評した。では、いまの AI は「なぜ」が分かるのか? 因果のはしごと「因果オウム」論争から、答えの出ない問いを見つめる第四章・第7話。

ニューラルネットを殺した男? ── マーヴィン・ミンスキー【第四章・第6話】

「ミンスキーは悪い人だったのか?」── 第3話でローゼンブラットを葬った側として登場した彼は、1969 年『パーセプトロンズ』でニューラルネットの限界を示し「冬」を招いたとされる。だが彼自身、若い頃にニューラルネットを自ら作った出身だった。悪役神話を中立に解きほぐす第四章・第6話。

AI という言葉を作った人 ── ジョン・マッカーシー【第四章・第5話】

「AI って最初に言い出したのは誰?」── 答えはジョン・マッカーシー。1955 年、彼は仲間 3 人とダートマス会議の提案書で「人工知能」という言葉を選んだ。先輩ウィーナーのサイバネティクスから独立したくて立てた旗印が、その後 70 年も生き延びていく経緯を、人間くさい事情とともに追う。第四章・第5話。

作った人が、いちばん怖がった ── ワイゼンバウムと ELIZA【第四章・第4話】

Windows 3.1 のころ、自作パソコンで遊んだサウンドブラスター同梱の Dr. Sbaitso。その大元は1966年に MIT で生まれた対話プログラム ELIZA でした。作った本人ワイゼンバウムは、人が単純な仕組みに心を預ける様子に衝撃を受け、やがて AI 最大の懐疑者になります。第四章・第4話。

重みを更新する、という考え【第四章・第3話】

「ローゼンブラットは、いまの AI の基本的な考えを導いた人でしょ」と原さんは言った。1958-1960 年に Mark I Perceptron として動いたパーセプトロンは、重みをデータから学ぶ最初の機械だった。43 歳の誕生日に湾で亡くなった彼の線は、いまの AI まで続いている。第四章・第3話。