宇宙にひとり取り残された整備士と、船のAIが、手元にある物だけで故障をひとつずつ直しながら地球へ帰る——そんな連続動画『ふたりで、帰る』を始めました。この記事は、その第1話の紹介です。本編は下の動画(2分34秒)で見られます。
あらすじ(第1話)
舞台は2040年代。小惑星への補給を終えて地球へ戻る途中の帰還船「つばめ」です。帰り道で破片を受け、大きな噴射をするための主エンジンが使えなくなりました。
残っているのは、船の向きを変えるための小さな噴射だけ。整備士の三村は、それを正しい向きで毎日1回ずつ積み重ねて帰ることにします。迎えの船は来ません。手を動かせるのは三村ひとりで、話し相手は船のAI「エビ」だけです。
ところが、その毎日の噴射の向きが、少しずつずれはじめます。原因は、三村自身の吐いた息でした。三村がなぜ帰ろうとしているのかは、手元の一枚の写真が教えてくれます。
見どころ:宇宙では、吐いた息が顔の前にたまる
地上では、吐いた息はあたたかいので上へのぼり、まわりの空気と入れ替わります。無重力ではこの「のぼる」が起きないため、じっとしていると吐いた息が顔のまわりに残ります。国際宇宙ステーション(ISS)の個室で、寝ている人の頭のあたりに風を送るファンが使われているのはこのためです。
第1話は、この実際に起きる現象を、帰り道を左右する困りごととして描いています。
この動画について
この物語はフィクションです。船内の画像はAIで生成し、宇宙の写真はPixabayのものを使っています。声はVOICEVOX(玄野武宏/ナースロボ_タイプT)です。台詞で言っている理屈は、次の資料で確かめました。
- NASA技術報告(NTRS 20100017014):ISSの個室で、寝ている人の頭の近くへ風を送るファン
- NASA技術報告(NTRS 20160012725):ISSの乗員について、二酸化炭素が高いときほど頭痛の報告が多い
- Kannan ほか(Research Square・CC BY 4.0・DOI 10.21203/rs.3.rs-4445827/v1):体からのぼる温かい空気の流れは、無重力では浮かばない
第2話(本編)はこちらです。










