宇宙にひとり取り残された整備士と、船のAIが、手元にある物だけで故障をひとつずつ直しながら地球へ帰る連続動画『ふたりで、帰る』。この記事は第5話の紹介です。本編は下の動画(2分43秒)で見られます。
あらすじ(第5話)
窓の外が赤くなってきました。火星です。三村は姿勢制御を手動に切り替え、船のAI・エビが選んだ噴射口から、合図に合わせて小さな噴射を重ねます。船は火星に引かれ、いちばん近いところを通り抜け、速さが上がりました。
ところが、抜けたあとの道が少しずれていました。このままだと地球の手前で外れます。エビはすぐに向きを合わせ直し、三村の「三、二、一」で、一回の噴射で道を戻します。
そこへ地上から映像が届きます。娘のひなたからでした。「写真、なくしてない? うらに書いたこと、おぼえてる?」。三村は、出発の朝に玄関で渡された写真のことを話しはじめます。
見どころ:無重力では、涙は落ちない
映像を見た三村に、エビが「泣いていますか」と聞き、続けてこう説明します。「無重力では、涙は落ちません。目のまわりに、たまるだけです」。三村の返事は「……解説すんな」。この回で初めて、三村の顔が映ります。
無重力で涙が落ちないのは実際の話です。宇宙飛行士のクリス・ハドフィールドが、2013年に国際宇宙ステーションで実演しています。もうひとつ、惑星のそばを通ったあとに道がずれ、小さな噴射で直すのも、実際の探査機で行われている手順です。
この動画について
この物語はフィクションです。映像と画像はAIで生成しています。声は三村とひなたがElevenLabs、エビがVOICEVOX(剣崎雌雄)です。音楽はSunoで作りました。台詞で言っている理屈は、次の資料で確かめました。
- カナダ宇宙庁「Tears in space (don’t fall)」:無重力では涙が落ちず、目のまわりにたまる(クリス・ハドフィールドの実演・2013年)
- NASA JPL「NASA’s Europa Clipper Uses Mars to Go the Distance」:火星のそばを通ったあと、約15日後に軌道修正の噴射を行う
- NASA JPL「Dawn Finishes Mars Phase」:探査機ドーンは2009年2月に火星の近くを通り、エンジンを使わずに速さを変えた(第4話と同じ)
第4話の紹介はこちらです。










