宇宙にひとり取り残された整備士と、船のAIが、手元にある物だけで故障をひとつずつ直しながら地球へ帰る連続動画『ふたりで、帰る』。この記事は第4話の紹介です。本編は下の動画(1分27秒)で見られます。
あらすじ(第4話)
地上に送った報告に、ようやく返事が届きます。長い計算と、短い言葉が二つ。一つめは「早瀬のご家族には、伝えた」。二つめは「火星のそばを通れ」でした。
寄り道に聞こえる指示の理由を、船のAI・エビが説明します。火星の重力に引かれて曲がるあいだに勢いをもらえば、燃料を使わずに速くなれる。速くなれば、食料も足ります。ただし、通れるのは一回だけ。外せば、かえって遠くなります。
そこまで、毎日の小さな噴射を一度もずらせません。「向きは、わたしが計算します。合わせるのは、三村の手です」。三村は地上へ「了解」と返します。
見どころ:火星の重力を「借りる」
惑星のそばを通って重力で進む向きと速さを変える方法は、実際の探査機でも使われています。NASAの探査機ドーンは2009年2月に火星の近くを通り、エンジンを使わずに軌道を変えました。火星から見た速さは近づくときと離れるときで同じですが、太陽から見た速さが変わります。第4話は、この「一回きりの曲がり角」に向けて準備を始める回です。
この動画について
この物語はフィクションです。映像と画像はAIで生成しています。声は三村がElevenLabs、エビがVOICEVOX(ナースロボ_タイプT)です。台詞で言っている理屈は、次の資料で確かめました。
- NASA JPL「Dawn Finishes Mars Phase」/NASA技術報告(NTRS 20150011956):ドーンは2009年2月18日に火星の近くを通り、エンジンを使わずに太陽に対する速さと軌道の傾きを変えた
「アンテナを待つ日があるので、返事は何日か先」という台詞は物語の設定です。電波そのものは火星と地球のあいだを片道3〜22分ほどで届くので、遅れの理由は距離ではなく、地上の大きなアンテナがこちらを向く順番待ちにしています。
同じ第4話には、音楽と声を替えたリメイク版と、字幕と冒頭を作り直した新編集版もあります。
第3話の紹介はこちらです。










